箱館戦争の敗残兵・八郎太は羆に襲われて森の中で倒れているところを、猟師の十蔵に救われる。
救ってもらった恩を返すため、当分の間、十蔵のもとで猟の手伝いをすることになった八郎太だが、羆に襲われた際に左目を負傷し遠くのものがよく見えなくなってしまった。
そんな視力に不安のある状態でも羆を仕留めることができる〝穴羆猟〟を十蔵から伝授された八郎太。
立冬も過ぎ蝦夷地は日に日に気温が下がっていく中、八郎太はいまだ物置暮らしを続けているのだが……。
猟師として、そして一人の人間として、八郎太の苦難と成長が描かれる。